きっかけは2002年のPMC純銀粘土のアメリカでのカンファレンス。世界から400人ものPMC作家が集まり、新たなテクニックを学べるセミナーが数多く行われる4日間滞在型の勉強会です。

そこで見たのがPMCとコラボレーションされたシリーファーゴ女史のポリマークレイ作品でした。大理石の様な輝きや木の様な素材感、ゴムのようなマット感、それらが全てポリマークレイだと知り、驚きと感動で参加者みんなが学びたい…と思ったのがきっかけでした。

さかのぼれば15年前に、確かにフィモを取り扱った事がありました。
けれど、そのフィモは日本に紹介されたものの、輸入途中のコンテナで既に100℃を超える高温にさらされ、今思えば半焼きだったのです。
どおりで、どんなにあたためても固くて成型がむずかしく、結局「フィモは使えない」とあきらめてしまった商品でした。

世界中に広まったフィモは、ヨーロッパやアメリカでは新素材として受け入れられ、その後10年もの間に多くの作家による研究が行われて、それぞれ作家の名前が付いたテクニックが蓄積されていました。
いわば、日本はポリマークレイについては鎖国状態だった訳です。

目指すはシリーファーゴのテクニック！！
そう夢見た私達は、日本に於けるポリマークレイの第一人者としてケリー真美先生と高橋マリ先生に出会いました。
お二人のフィモクラフトクラブのカリキュラムをケリー真美先生に対面セミナーで学び、修了しました。フィモクラフトクラブのカリキュラムはミルフィオリデザインがベースになっていて、シリーの作品にはなかったものですが、その作り方の楽しさに魅了されました。ケリー先生と高橋先生から学んだテクニックを基に対面用カリキュラムを制作し、ミルフィオリコースをスタートしました。
（更に2006年にカリキュラムを改訂し、現在に至っています。）

又、プレモの輸入をお願いして叶えて下さった「アシーナ」が主催したイギリスのミニチュア作家、スーヒーザー女史の集中セミナーを受講し、様々な基本テクニックを身につけた上で、アメリカのシリーファーゴのもとへ行きました。

シリーはPMCのアメリカでのシニアインストラクターでもある事から、同じPMCギルドのメンバーである私達に特別なセミナーをして下さいました。それは基本を学んできた私達に、シリーが作る全てのポリマーテクニックの上級レベルのものを、惜しみなく指導してくれたのです。

私達はシリーの指導で学んだターコイズ、ジェード、サンゴ、アイボリーを基に、PMCとのコラボレーションカリキュラムを制作しました。その完成度の高さから、その他の天然石についても研究をはじめ、作り方をまとめて「フェイクビーズコース」のカリキュラムを制作し、日本ヴォーグ社から「フィモクラシックで作るフェイクストーンアクセサリー」の本の中で発表しました。

世界にはたくさんのポリマークレイアーティストがいて、いろいろなテクニックを研究、発表されています。
ポリマークレイアカデミーでは、海外アーティストのテクニックに独自の研究を加えて発表し、日本に於けるポリマークレイクラフトの発展の為に、多くのポリマークレイアーティストを育成する協会として活動して参ります。